フランス人の思考

昔、フランスで購入したノートパソコンが買ってすぐに何度も調子が悪くなり、「頻繁に修理に出す」ということがありました。2度目の修理の結果、お店の人によるとパソコンの 「carte mère(マザーボード)」の問題で、新しいのに交換した方がよいと言われたのですが、値段を聞くと 800ユーロ(約10万円)もかかるとのことでした。

パソコンを購入した際に3年間の保証に入っていたのですが、なぜかその保証ではマザーボードの交換はできないとのこと。800ユーロもかけて修理をする気にはなれなかったためひとまず家に帰り、パソコン関係に詳しいフランス人の知人に電話をかけました。

そしてパソコンを購入してからこれまでの経過を説明し、なぜか「マザーボードの交換には保証がきかない」と言われたことを話しました。

すると知人は一言、C’est pas logique.(おかしい)と言ったのです。

この「C’est pas logique.」という言い方ですが、フランス人が言っているのを一度は聞いたことがあるかもしれません。直訳すると、「論理的ではない」となります。

なにか納得のいかないことがあったときに、フランス人の多くがこう言います。だれがどう見てもおかしい、という状況でなくても、日常生活のほんの些細な出来事に関しても、それが自分にとってしっくりこない場合は「C’est pas logique.」となるようです。

フランス人の知人に色々と説明しているうちに、おそらく購入当初から不良品だったと思われるパソコンに嫌気がさしてきたせいかつい、Je vais laisser tomber. (もういいや)と言ってしまいました。

するとなぜか知人はすこし苛立った様子になり、Non, il faut pas laisser tomber. (なげだしちゃだめだよ)と言ってきたのです。

そしてもう一度修理の人にこれまでの経過を説明し、無料で新しいパソコンに交換してもらうようしつこく交渉すべきだと言うのです。正直なところ「面倒だな・・」と思ってしまいましたが、よく考えてみるとこの「面倒」という感覚こそフランス人とは相容れないもののように感じることがあります。

けんかでも理不尽なシチュエーションにおいても、それらに立ち向かうことよりも黙って受け入れることを選択する、というそもそも「衝突を好まない気質」が日本人には少なからずあるのだとすれば、

フランス人は納得のいかない状況 (C’est pas logique) ではとことん相手と話し合い、ときに衝突しながら立ち向かう姿勢があります。

そのエネルギーは一体どこから来るのだろうか?と思うこともありますが、フランスでは「自分の頭で考えて物事を判断する姿勢」が求められるのかもしれません。