パリジェンヌの姿勢

パリの街をさっそうと歩くパリジェンヌの姿は、なぜ格好がいいのだろう。

サンジェルマン・デ・プレ界隈のカフェのテラスから、大通りを行き交うパリジェンヌたちを眺めていました。

黒やグレー、カーキ色のシンプルなファッションに身をまとい、ベージュ色のアパルトマンと街路樹が重なります。

彼女たちに1つ共通するのは、「姿勢の良さ」なのです。まるでバレリーナのように、背筋がピンと保たれています。

ぺたんこ靴やスニーカーに細身のパンツスタイル。ミニスカートや高いヒールを履いている若者の姿は、ほとんど見かけません。

この姿勢が、フランス人と会話をするときの大切なポイントになるのではないか、と思ったのは、語学学校でフランス人の先生から言われたある一言がきっかけでした。

なぜ日本人がフランス語を話すと、最後の方が消えるように小さくなっていくの?

自分の話すフランス語を観察してみると、たしかにフレーズの最後が消えてなくなるように小さくなっていたのです。

そして普段日本語を話すときにも、無意識でしたが、相手の表情を伺いながらやや控えめに言葉を発していることに気付きました。

その背景には、「空気を読む」文化が関係していると考えられます。

状況や話し相手によってもその程度は異なりますが、たとえば日本人と会話をするときに、相手の顔をめがけて声を飛ばすように話すことはありません。

ではフランス人と話すときはどうでしょうか。

相手の顔に向けて、最後が消えて小さくならないよう最後までしっかりと発声する。

実はこのくらいがちょうどよかったりします。

パリジェンヌの姿勢のように、背筋をまっすぐに保ち、腹筋にやや力を入れます。

顔をすこし上に傾け、相手の顔に向けて声を送り届けるイメージです。

正しい姿勢と発声方法。

ほんのすこし意識するだけで、フランス語特有のリズムが生まれます。

驚くほど、フランス語が通じるようになるのです。