フランス語上級者の響き

たとえば、「家でコーヒーを飲みたいな」というときに、

 -Tu pourrais m’apporter du café, STP?(コーヒー持ってきてもらえるかな?)と、

 -Tu peux m’apporter du café, STP?(コーヒー持ってきてくれる?)と、

 -Apporte-moi du café, STP.(コーヒー持ってきて)とでは、

だいぶ印象が異なります。

はじめの「条件法」を使った言い方には、「頼んで悪いけれども」という相手を配慮するニュアンスが含まれています。つまり頼む相手には「断る余地」がある中で、こちらは「コーヒーを持って来てもらう」というお願いをしています。

2番目のフレーズは、たとえば学校で友達に対して、Tu peux me prêter ton stylo?(ボールペン貸してくれる?)などと気軽に聞くときに使うような言い方です。

そして最後の命令形に「STP」を付けた言い方ですが、やや偉そうに感じるせいか、ふだん「なにかを頼んで持ってきてもらう」というときにはあまり使わないことに気付きます。

条件法には、「丁寧になにかを頼む」というニュアンスがありますが、他者との対話においては、

Je dirais que c’est un problème géographique.(それは地理的な問題と言えるかもしれない)

のように、断定できるわけではない「個人的見解」を、オブラートに包んだ形で伝えることができたり、

Il faudrait dire la vérité.(真実を言わなければならないでしょう)

などとやわらかい口調で提案をしたり、またはアドバイスを行ったりすることも可能です。

丁寧かつやわらかい口調、そして断定せずに意見を伝えられるなど、「条件法は日本人の性格にもマッチしているのでは?」と感じることがあります。

条件法の活用は、「R」の発音が難しくもありますが、使い方をマスターすると「フランス語上級者」としての響きが加わります。