フランスが新学期を迎える9月、スーパーのくだもの売り場にはぶどうが並びます。
カラーは、ルビー色とマスカットの2種類。
量り売りなので、積み重なるぶどうの山からひと房手にとり、ビニール袋へ。
となりでは、マダムがぶどうをひとつぶ手にとり、口に運びました。
そしてうなずき、にこりとほほえみます。
つぶは巨峰よりもちいさめですが、糖度はとても高く、食べはじめたらとまらないおいしさなのです。
とくに、イタリア産のマスカットがとても甘かった記憶があります。
ある日、パリ7区の老舗百貨店「ボン・マルシェ」の食品館へ。
お菓子の棚を通り抜けて、野菜とフルーツの売り場へと向かいます。
色鮮やかなマスカットが見事にならんでいました。
つぶも大きくて、グリーンが眩しい。
産地はイタリアです。
りんごや桃、洋梨にいちじく、メロンにマンゴーなどフランスのフルーツは種類も豊富で価格も安く、一年中楽しむことができますが、やはり王様は「マスカット」なのではないか。
夏の終わりに日本でぶどうをいただくたびに、ボン・マルシェのマスカットを思い出します。